住宅ローン返済が先?投資が先?イールドギャップで考える5つの理由
「投資って早く始めた方がいいって聞くけど、住宅ローンもまだ残ってるし…」
そんな悩み、ありませんか?
たしかに、資産運用は“時間を味方につける”のが大事。でも、住宅ローンの返済がある中での投資は、ちょっと慎重になった方がいいかもしれません。
今回は、不動産投資でよく使われる「イールドギャップ」の考え方を応用して、「なぜ住宅ローンを先に返すべきか?」を5つの理由に分けてやさしく解説します。
イールドギャップとは?
まずは基本から。
イールドギャップ=実質利回り − 借入金利
不動産投資の世界では、投資物件から得られる実質利回りと、借入金利(ローンの金利)の差を見て「この物件は儲かるかどうか」を判断します。
この差が大きい=儲かる可能性大、
差が小さい=要注意(赤字のリスクも)というわけです。
ではなぜ、住宅ローン返済を優先すべきなのでしょうか?
以下の5つの理由で考えてみましょう。
理由① 住宅ローンの金利は「確実なマイナス」
住宅ローンは、たとえ低金利でも元本+利息を確実に支払う義務があります。
たとえば金利1.5%の住宅ローンがあるなら、1.5%分は「確実に毎年出ていくお金」です。
一方、投資で得られる利回りは「期待値」にすぎません。
確実なマイナスを抱えたまま、リスクのあるプラスを追いかけるのは、損失リスクを高める原因になりかねません。
理由② イールドギャップがマイナスになると赤字に
たとえば、投資の実質利回りが2.0%、でも借入金利が2.5%だったとしたら…
イールドギャップ = 2.0% – 2.5% = -0.5%
つまり、投資するだけで損している状態です。
住宅ローンを抱えたままだと、このような「逆ザヤ(借入コストの方が高い)」の状態になりやすく、資産形成どころかお金が減っていってしまう危険性があります。
理由③ 心理的ストレスが投資判断を狂わせる
「ローン返済もある」「投資の結果も気になる」
このようにダブルでお金の不安を抱えると、どうしても冷静な判断が難しくなりがちです。
特に価格が下がった時に「怖くて売ってしまった」「続けられなくなった」といったケースは、初心者の方に多く見られます。
まずはローン返済で“心のお守り”を作っておく方が、投資も安定して続けられるんです。
理由④ イールドギャップが2%以上でないと意味がない
投資の世界では、一般的にイールドギャップが2%以上あれば投資妙味ありと言われています。
でも、住宅ローンがある状態でそれだけの利回りを安定して得るのは、実はかなり難しいんです。
特に投資信託や株式などでは、年5~6%のリターンがあっても、手数料や税金を引けば実質利回りはもっと低くなることも。
その状態で、1%超のローン金利を払っていたら…?
「投資で増える」より「ローンを返して減らす」方が確実にお金が残る可能性が高いんです。
理由⑤ 金利上昇リスクがローンと投資の両方に影響
今後、インフレや経済政策によって金利が上がる可能性もあります。
そうなると…
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住宅ローンの返済額が増える
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債券や一部の投資商品の価格が下がる
つまり、「ローン返済は苦しくなる」「投資は損をする」ダブルパンチに。
金利の影響をダブルで受ける前に、ローン返済を優先しておく方が安心というわけですね。
まとめ|住宅ローン返済が投資の第一歩
投資は大切。でも、それ以上に「土台を整えること」がもっと大切です。
ローンを返済することで
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家計の固定費が減る
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精神的な安心が増す
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投資への余裕資金が増える
という“いい流れ”が生まれます。
投資を焦らなくても大丈夫。住宅ローンの返済こそが、あなたの資産形成のスタートラインです。