SNSで広がる詐欺の罠
「SNSで“簡単に稼げる副業”って、よく見かけるよね?」
そんなふうに思ったこと、あなたにもありませんか?
最近は、20代〜30代の若者を狙ったSNS型の投資詐欺が急増しています。
しかもその多くが、「友人の紹介」や「無料セミナー」「LINEグループ」など、信頼できそうな経路で近づいてくるのが特徴です。
たった1回の「うっかり信じた」が、何十万円、時には何百万円の損失につながることも——。
この記事では、SNSや知人経由で広がる危険な投資詐欺の手口と、絶対に引っかからないための考え方を、11項目にわたってわかりやすく解説していきます。
「自分は大丈夫」そう思っているあなたにこそ、ぜひ知ってほしい。
この先、大切な誰かを守る“知識の盾”にもなるはずです。
1. 本当においしい話なら、見知らぬ人に教えるわけがない
たとえば、あなたが住宅街を歩いていて、見知らぬ家の庭でバーベキューをしている人から 「よかったら一緒にどう?」と声をかけられたら——あなたならどうしますか?
怪しいと思ってすぐに断る人が多いはずです。 知らない人の家で、突然「タダでごちそうするよ」と言われても、警戒するのが普通ですよね。
でも、SNSになると不思議とその感覚が薄れてしまうんです。 「いい人そう」「ちゃんと儲かってるみたい」と思って、つい話に乗ってしまう。
でもよく考えてみてください。 本当に美味しい話なら、わざわざ赤の他人に声をかけるでしょうか?
2.投資=怪しい ではなく「怪しい投資」があるだけ
ここで誤解してほしくないのは、 投資そのものが怖いのではないということ。
おかんブログでも紹介しているようなインデックス投資や高配当株投資は、 きちんとした資産形成の方法です。
問題なのは、それを悪用した“ありえない儲け話”です。
たとえば高配当株の年利(配当利回り)は、 4%を超えると「高配当」と呼ばれます。
2024年5月時点で、日本株全体の平均配当利回りは約2.12%。 つまり、年間100万円分の高配当株を持っていても、 もらえる配当金はせいぜい4万円前後です。
なのに、SNSでは 「株で月収50万円」「1年で1,000万円になった」などという話がゴロゴロしています。
では、実際にそうした急激な儲けをうたう投資には、どのような背景があるのでしょうか?
冷静に考えてください。 そんなに儲かるなら、その人はなぜ他人に教えて回るんでしょうか?
3.「急に羽振りがよくなる投資」の正体
もしも短期間で大きく稼いでいるように見えたとしたら、 それは以下のようなハイリスクな投資手法かもしれません。
さらに、SNSでよく見かける「高級時計」「ブランド物」「高級車」などの写真や動画は、実際にはレンタル品だったり、まったく別の人の投稿を転用している場合もあります。
つまり、見た目の羽振りの良さや生活水準を鵜呑みにしてはいけません。 その裏にある現実を冷静に見極めることが大切です。
投資手法 | 内容とリスク |
---|---|
FX(外国為替証拠金取引) | 通貨の価格差を利用して売買する投資。レバレッジを効かせれば大きく稼げるが、一瞬で全額失うこともある |
仮想通貨の短期売買 | 値動きの激しい銘柄に短期投資する方法。情報と運の世界 |
株の信用取引(レバレッジ取引) | 自分の資金以上のお金を借りて取引。利益も損失も倍になる |
詐欺まがいの投資話 | 架空の投資プログラム、利益のねつ造、紹介報酬目的など |
こういったもので一時的に成功する人は、 ほんの一握りの運がいい人か、天才か、詐欺師です。
多くの人にとっては、 お金を増やすどころか、心と人生を壊してしまうリスクのほうがはるかに高いのです。
4.投資は「コツコツ型」が本物
本当の投資は、派手な話とは正反対。
たとえば毎月コツコツと積み立てていくインデックス投資は、 最初は地味でも、20年後、30年後にじわじわ効いてくる“資産づくり”の方法です。
「急にお金持ちになった」なんて話よりも、 「気づけば安心できる貯金と資産があった」 ——そんな未来の方が、ずっと現実的で安心できると思いませんか?
5.最近増えている“友だち経由”の投資勧誘にも要注意!
今の詐欺や投資トラブルは、「知らない人」からではなく、 「信頼している人」からやってくることもあります。
最近特に目立つのが、友人からの紹介を装った 「マルチ商法型の投資勧誘」です。
たとえば、こんな流れに見覚えはありませんか?
- 「最近すごく儲かってて、あなたにも紹介したいな」
- 「信頼できる人だけに教えてる投資法があって…」
- 「無料のセミナーがあるから、一緒に聞いてみない?」
最初は親しげで、勉強になるように見えるかもしれません。 でもその裏には、「紹介」「契約」「報酬」が 組み込まれた連鎖的な仕組みがあるのです。
6.被害者が連鎖的に増えていく仕組みとは?
ここでは、「被害者がどのように連鎖的に増えていくのか」を説明します。
【仕組み】
- 会員が商品を購入し、他の人に販売や勧誘をすると「紹介料」がもらえる
- 勧誘された人も同じように他人を誘い、組織がピラミッド型に広がる
【問題点】
- 実際に大きな利益を得られるのは、ほんの一部の“上の人”だけ
- 商品が売れずに在庫を抱えたり、友人関係が壊れるトラブルも多発
- 「ビジネスだから違法じゃない」と正当化されやすく、断りづらい雰囲気にされがち
【法的には?】
-
マルチ商法そのものは違法ではありませんが、 「連鎖販売取引」として特定商取引法で規制されています(出典:消費者庁「特定商取引法ガイド」)
- 書面の交付義務や誇大広告の禁止、クーリング・オフ制度などが適用されます
つまり、合法でもリスクは大きいのがマルチ商法の特徴です。
7.無料セミナーの“裏側”にも要注意
マルチ商法やSNS型の投資詐欺では、 無料セミナーやZoom説明会が“入口”として使われることがよくあります。
なぜ無料なのか?
- その場で高額商品や投資プログラムを販売するため
- 「先生」やサクラ参加者が空気を盛り上げて、契約へ誘導する
- 「無料だから参加してみようかな」と思わせて、幅広く集客できる
無料と聞くと、警戒心が下がりやすくなります。 でも実際は、「その場で何かを売る」のが目的。
本当に大切な情報は、有料コースの先にあるという流れが非常に多いです。
8.お金がからむ話は、その場で決めない!
これが、絶対に伝えたいことです。
どんなに信頼している相手でも、どんなに魅力的な話でも、 お金の話はその場で決めてはいけません。
「今だけのチャンスです」 「ここで決めた人だけ特別価格」 そんな言葉で急かされたら、まず疑ってください。
一晩寝かせて、自分の頭で考える。 「調べてから返事するね」と言うだけで、 あなたはトラブルから一歩遠ざかれます。
9.知識があれば、自分も友だちも守れる
「友達が紹介してくれたから大丈夫」 「みんなやってるなら安心」 ——そう思いたくなる気持ちはわかります。
でも、冷静に仕組みを理解している人こそが、 周りを守れる人です。
この記事を読んでくれたあなたなら、 「ちょっとそれ、怪しいかも?」と、気づけるはずです。
そしてもし大切な人が巻き込まれそうになっていたら、 やさしく、でもしっかり「待って」と声をかけてあげてください。
では、実際にどれほど深刻な被害が起きているのでしょうか?
10.被害額は1,000万円超えが当たり前に――いま日本で起きている現実
投資詐欺は、身近なSNSやマッチングアプリなどをきっかけに始まり、誰もが被害者になり得ます。
以下に、実際に起きた典型的な詐欺の事例をいくつか紹介します。
❖ 副業紹介を装った詐欺
40代男性がSNSで「誰でもできる副業」として紹介された投資サイトに登録。最初は1万円の入金で数日後に1.2万円になったと報告され、その後「次は5万円で本格的に始めよう」と誘導された。信頼して20万円まで投資したが、ある日突然アカウントが凍結され、出金も連絡も不可能に。
❖ 仮想通貨マイニング詐欺
50代男性が「月利10%保証」の仮想通貨マイニングプロジェクトに参加。初月に10万円が11万円になったと報告を受け、信用してさらに300万円を投資。ところが、翌月から利益が支払われず、連絡手段も断たれ、サイトも閉鎖されていた。
❖ インフルエンサーを使った集団詐欺
SNSでフォロワーの多い“投資家インフルエンサー”を名乗る人物がLINEグループへ招待。「私の実績を見て」と投稿される投資画面に信じ込んだ50代女性が、仮想通貨で500万円を送金。追加で送金を迫られた時に不審に思い、詐欺と発覚。
❖ 有名企業を装った投資勧誘
大手企業名を騙ったメールから「年利8%保証の企業型ファンドへ出資しませんか」と案内が届く。会社のロゴや実在する役員名が記載されていたため信じ込んだ60代男性が1,000万円を送金。実際には企業は無関係で、サイトも偽造されたものだった。
11.よくある詐欺の特徴
そして絶対に忘れてはいけないのが、「投資のお金は人に預けてはいけない」という基本です。
証券口座を通さず、個人名義の口座や投資アプリに送金するような話には、絶対に乗らないでください。
あなたの大切なお金を守る第一歩は、 「証券会社以外に振り込まない」ことです。
- 「必ず儲かる」「今だけ」といった甘い誘い文句
- 未公開株・仮想通貨・FXなどへの投資を勧誘
- SNSやマッチングアプリ、LINEグループを使って接触
- 出金時に「保証金」「税金」名目でさらにお金を要求
- 有名人や著名な投資家を装って信用させる
こうした詐欺は、若年層から高齢者まで、年齢や投資経験に関係なく被害が拡大しています。
大切なお金と人生を守るためには、「儲かる話ほど疑う」姿勢が何より大事です。
もし「これって危ないかも?」と少しでも感じたら、迷わず誰かに相談してください。
そして、この記事のような知識を持っているあなた自身が、周りの人を守るきっかけにもなれるのです。
2024年~2025年の最新データによると(出典:警察庁「令和6年版 経済事犯に関する統計資料」)、 日本国内で確認されている投資詐欺の被害額は、 もはや“1件あたり1,000万円以上”が普通という深刻な状況です。
- SNS型投資詐欺の平均被害額:約1,100万円以上
- ロマンス詐欺(恋愛感情を利用した詐欺)も平均1,000万円以上
- 被害額の分布では「500万円以下」が最も多いものの、 全体の約4割が1,000万円以上
- 中には1億円を超えるケースも複数報告されており、 被害額・件数ともに過去最高水準
このように、今の詐欺は「ちょっと騙された」では済まないレベルに進化しています。 しかも、「自分は大丈夫」と思っていた人ほど、 被害に遭いやすいという傾向もあるのです。
まとめ:騙されない力は「情報×時間×冷静さ」
SNSに出てくる「おいしい話」、本当にあなたのための話でしょうか?
たとえ友達からの紹介でも、
「その場で決めない」「一晩寝かせる」「調べてから動く」
この3つのルールを守るだけで、人生を守る確率はグッと上がります。
そして、あなた自身が“正しい情報”を知っていることで、
大切な友人や恋人、家族が詐欺に巻き込まれるのを防ぐこともできます。
誰かを助けられる知識って、めっちゃカッコいいと思いませんか?